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熱田神宮略記

熱田神宮略記

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を教へ給ふた。その御鴻徳を今に追仰する祭りが、この豐年祭である。一月の世樣《よだめし》神事と共に農事に關係のある重大な神事で俗に「御穀祭」「花の撓《たう》」又は「花の頭人」とも言ひ、當實は朝神樂殿に於いて祭典が行はれるが、それに付隨する行事として、東西の兩樂所には、數日前から潔齋參籠の神職によつて作られた、陸田模造の畠所と水田模造の田所の模型を飾つて一般に展觀させ、農民はその飾物の出來具合によつて、その年の豐凶を占ふのである。  尚當日は特に境内の一部に於いて農具・種物・苗物農事に關する物を商ふ事を許すので、境内は雜踏を極める。

[#2字下げ]御衣《おんぞ》祭[#「御衣祭」は同行小見出し]   五月十三日  御神衣の料を奉る祭儀として古來行はれて來た。たゞ中世一時中絶した事もあるが、明治十二年に再興せられてから、漸く旺んとなつた。殊に大正十三年からは、愛知縣福江町及び半田市の絹糸奉獻會並に名古屋市太物商等の組織せる神御衣奉獻會から絹布を奉獻する事となり、今日に及んでゐる。  當日は神樂殿に齋機・御調度品・御衣料・御笠等を辨備し置いて、午後二時から祭典が執行される。その儀は先づ宮司以下祭員・陪從・舞人・舞女・琴役及び笛役等神樂殿所定の座に着くと、宮司は神御衣料を點檢し、畢つてそれは神前に獻供せらる。續いて祝詞の奏上があつて後舞人及び舞女による典雅な倭舞が奉奏されるのである。  御衣料及び倭歌は左の通りである。

   御衣料 和妙《にぎたえ》 絹布 折櫃壹合
絹糸
荒妙《あらたえ》 麻布 同右
御調度品 御髻、御髢、御針、御縫糸、御頸玉緒、御手玉緒、御足玉緒、御尺、御刀子 同右
御簑 壹臺
御笠

   倭歌 [#ここから5字下げ] しろかね 宮人 めつらしな 千代ま {#ここで字下げ終わり]

[#2字下げ]南新宮《みなみしんぐう》社祭[#「南新宮社祭」は同行小見出し]   六月五日  攝社南新宮社で行はれる疫病除の祭事であつて、その起原は不明であるが、江戸中期の文獻に依れば六月四・五・六の三日間行はれたもので、四日は舞樂を奏し、五日は供御を行ひ、各酒肴を賜

<trjpft> 「熱田神宮略記」: 前頁 | 次頁 近代デジタルライブラリーの当該頁へ <astyle><gstyle>新旧字混在</gstyle><kstyle>旧仮名</kstyle><tstyle>青空</tstyle></astyle> </trjpft>

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