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         くれまで、みなおりにふれたるなさけなるべし。しかのみならず、たかきやにとをきを のぞみて、たみのときをしり、すゑのつゆもとのしづくによそへて、人のよをさとり、
 
         くれまで、みなおりにふれたるなさけなるべし。しかのみならず、たかきやにとをきを のぞみて、たみのときをしり、すゑのつゆもとのしづくによそへて、人のよをさとり、
 
         たまぼこのみちのべにわかれをしたひ、あまざかるひなのながぢにみやこをおもひ、たかまの 山のくもゐのよそなる人をこひ、ながらの
 
         たまぼこのみちのべにわかれをしたひ、あまざかるひなのながぢにみやこをおもひ、たかまの 山のくもゐのよそなる人をこひ、ながらの
 
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「新古今和歌集」: [http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1127634/17 近代デジタルライブラリーの当該頁へ]
 
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2014年1月23日 (木) 12:13時点における最新版

 <p>やまと
        <app>
          <lem wit="#正保版 #ヤ #オ #マ #抄">歌</lem>
         <rdg wit="#折">うた</rdg>
        </app>は、むかし
        <app>
          <lem wit="#正保版 #ヤ #オ #マ #抄"></lem>
          <rdg wit="#折">あめつち</rdg>
        </app>
        ひらけはじめて、人のしわざ いまださだまらざりし
        <app>
          <lem wit="#正保版 #マ #抄">時</lem>
          <rdg wit="#折 #オ #ヤ">ときより</rdg>
        </app>
        、葦原
        <app><lem wit="#正保版 #抄 #マ #オ #折">のノの</lem>
          <rdg wit="#ヤ"></rdg><rdg wit="#オ">の</rdg>
        </app>
        <app><lem wit="#正保版 #マ #抄 #ヤ #オ">中つ國</lem>
          <rdg wit="#折">なかつくに</rdg>
        </app>
        のことのはとして、稲田姫素鵞のさとよりぞつたはれりける。
        しかありしよりこのかた、そのみちさかりにおこり、そのながれいまにたゆることなくして、 いろにふけり、こゝろをのぶるなかだちとし、世をおさめ、たみをやはらぐるみちとせり。</p>

      <p>かゝりければ、よゝのみかどもこれをすてたまはず、 えらびをかれたる集ども、家々のもてあそびものとして、 ことばの花のこれるこのもとかたく、おもひのつゆもれたる
        くさがくれもあるべからず。しかはあれど<app><lem wit="#ヤ #抄 #マ #正保版 #折">も</lem><rdg wit="#オ"></rdg></app>、
        伊勢の海清き なぎさのたまは、ひろふともつくることなく、いづみのそましげき 宮木は、ひくともたゆべからず。ものみなかくのごとし。うたのみち
        またおなじかるべし。 </p>

      <p>これによりて、右衛門督<name type="person" ref="#MM">源朝臣通具</name>、大蔵卿<name type="person">藤原朝臣有家</name>、 
        <app><lem wit="#折 #正保版 #マ #オ">左近中将</lem><rdg wit="#ヤ">左近衛</rdg><rdg wit="#抄">左近權</rdg></app>
        <name type="person">藤原朝臣定家</name>、前上総介<name type="person">藤原朝臣家隆</name>、左近少将
        <name type="person">藤原朝臣雅経</name>らにおほせて、むかしいまときを<app><lem wit="#折 #正保版 #ヤ #オ">別たず</lem><rdg wit="#マ">わかず</rdg></app>、たかきいやしき人をきらはず、
        めに見えぬか みほとけのことの葉も、うばたまのゆめにつたへたる事まで、ひろくもとめ、あまねくあつめしむ。</p>
      <p>をのをのえらびたてまつれるところ、なつびきのいとのひとすぢならず、ゆふべのくものおも ひさだめがたきゆへに、
        みどりのほら、花かうばしきあした、たまのみぎり、風すゞしきゆふべ、
        なにはづのながれをくみて、すみにごれるをさだめ、あさか山のあとをたづねて、ふかきあさきをわかてり。 </p>

      <p>万葉集にいれる哥は、これをのぞかず、古今よりこのかた七代の集にいれる哥をば、 これをのする事なし。たゞし、ことばのそのにあそび、ふでのうみをくみても、そら
        とぶとりのあみをもれ、みづにすむうをのつりをのがれたるたぐひは、むかしもなきに あらざれば、いまも又しらざるところなり。すべてあつめたる哥ふたちゝはたまき、
        なづけて新古今和哥集といふ。 </p>

      <p>はるがすみたつたの山にはつはなをしのぶより、夏はつまごひする神なびの郭公、 秋は風にちるかづらきのもみぢ、ふゆはしろたへのふじのたかねにゆきつもるとしの
        くれまで、みなおりにふれたるなさけなるべし。しかのみならず、たかきやにとをきを のぞみて、たみのときをしり、すゑのつゆもとのしづくによそへて、人のよをさとり、
        たまぼこのみちのべにわかれをしたひ、あまざかるひなのながぢにみやこをおもひ、たかまの 山のくもゐのよそなる人をこひ、ながらの

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