別記第百四十四今川記第三七百十二御連歌有御發句いく秋のやとのひかりそふしのゆき霧もをよはぬまつのことの葉有明の月をあふくやあさほらけ雲路たゝしきはつかりのこゑ千町田いみなかりしほのときを得て又御詠詠めける時こそ時をわかねとも富士のみ雪い始めなりけり御返し御心に叶ふ時代のなかめ哉袖にもふれるふしのゑらゆき熈貴の方へ我爲いあたら詠の富士の雪都のつとになすかうれしき時ありてみはやす君か御代なれや富士の高根も名を重ねつゝ御返し今いはや君そみはやす時あらぬ山とい富士のむかし成けり又御詠秋寒き富士のねおろし身にあめて思ふ心もたくひやいある公方持信範政祖阿常盤公方義〓公熙貴公方凞貴御返し富士の根の雲と月とにあかす夜や君か言葉の花をそへけん雅世卿本キ雲はらふ富士のねをろし吹や道秋の朝けの身にいふむとも堯孝法印富士の根の月と雲との移り香にあかす珍し君か言の葉廿一日御立の時すなをなる君に任て日本を心やすくや神もみるらん範政富士の根い名高き山のあかすみる此言の葉やたくひなからん嫺眞居士還御遠州鹽見坂御詠今いはやねかひみちぬる鹽見坂心ひかれし富士をなかめて嬉しさも身に餘る哉富土のねを雲のころものよそに詠て御返し折をえて三重の山風吹からに雲の衣いたちもをよはす範政同所にて御發句秋さむみふしねもみつあほ見坂諸大名御供衆其外の外樣衆奉公奉行衆旅亭に雨傘卅本つヽ人ハ三十人下男以下白米雜事雜具をの〓〓同し如此味細の事あるし候事いかゝにてい候へともむかしの御太義をもあろしめさせん爲にて候御分國い當國駿河まてにての御事にて候ける其內寺社本領御成敗にあら今川記第三雅世卿堯孝法印範政嫺眞居士範政別記第百四十四今川記第三