爛柯堂基話卷之一十一世林元美著見し聞しおもひし事を書遺しのちのうまこの庭の訓へに正親町帝の勅語の事正親町天皇の勅に曰く古への人は末世の人の爲に書を著はす今の世の人は身の爲めに書を隱す愛するは一つにて用ふる所は格別なり謹て按るに本朝古へ學校の政修せず且蘇氏が亂に舊記失ぬ故に遺漏多して徵とするに足らず是を惜代々むと雖も幸に如此難有勅文存す唯幾度も書傳へて後世に遺すべきのみ魅交白石の手簡の事白石手簡に老朽述作のものゝ事御尋候昔し巳來見聞及候程の事世に類例の事に候得共漢事のものは如何程か世に文獻もある事に候て其書も不少候が少しく書をも涉獵し候甲斐には何卒本朝古今の人々手をも不被下候事を取集め置候はゞ本朝に生れ候恩を報し候爲と存て何かと撰述候撰述をも志候迄には又何卒世にも貽り候へかしと存候事勿論に候右は佐久間洞巖に贈る書簡の略なり圍棊傳來御尋之事享保十二年正月廿六日寺社奉行黑田豐後守殿より本因坊竝將棊方大橋宗與方へ御用之儀有之候間只今爛柯堂基話卷之一