十六と不平の露民は常に革命の一日も早からん事を祈れり、露政府は實に斯の推移を知れり、斯の推移を知るが故に、克く其國是を遵りて侵略を奮勵せり、其侵畧は實に東亞を一貫して英國の背面に突進するを期せり、乃ち露人の侵畧.區々の利害を顧みす、企圖の方向に直進するは歐露小亞細亞各部一切の鐵道工事を中止し、其費用を移して西比東〓.兩鐵道の完成を急速ならしめたるに見ても明なり是れ、是れ露人が退守の至難を知るが故に侵畧に專心なる所以にして、其侵畧の進路必す我と衝突を免れさるを察し、以て東方の軍備をなせる所以なり、然り、露國か常に虎尾を蹈むの狀を以て我に處し、巧みに開戰の機を緩むるもの、是れ亦た深く察せさるべからすとなす、」露國は其宿望を達するの上に於て、刻下戰を避けて其軍備の充實を俟つを以て利なりとなす、乃ち戰はさるに敗るゝの日本を以て、箇の戰を避くるの露國に對し、滿州問題を擧けで之れに當る、彼我の情勢如何は諸公旣に知る處吾徒今ま必しも之れを贅せす、我れ先つ露國の尤も憂となす所を付り皇國の戰はさるに敗るゝ所以を論し、之れを諸公に質さん、露國刻下の東方軍備は、皇國の軍備に對し必勝の數にあらず、必勝の數に非ざるの兵を以て輙ち戰を交へ敗を取らは、露國は滿州及ひ旅大浦汐其他の設備と鐵道沿路の諸要を亡ばん、露人素より之れを憂ふ、又た東洋海上幾多の軍艦と、幾萬の將士を喪はん、露人素より之れを憂ふ然れとも之れを憂ふるは軍國の常憂。日兵の大擧して西比刺亞を橫斷し、歐露の境を超へてモスコーを突くの難きを知れり露人何そ深く之れを憂へんや之れを憂ふ更に之れより太たしきものあり、露人が其國力を傾注して經營せし南方設備一朝にして破壞されんか、十七