十八幾千萬の生民を誤り。國家經濟の紊亂を來し又た如何ともすからさるに至らん露人素より之を憂ふ然れとも之れを憂ふるは軍國の常憂、ニコラス帝家巨億の富と其軍事準備の正貨は、猶其經濟の克復を圖るに足れり露人何そ深く之れを憂へんや、之れを憂ふ更に之より太たしきものあり、諸公夫れ猶ほ未た之れを察せさるか、露人が刻下若し東洋に一敗せんか歐露の民心は竟に統治すべからさるに至る也、露國は現時の情勢に於てすら、其客民の統治、及ひ虛無黨、無政府黨、革命的人心の推移を禁竭するに苦めるに非すや、此種の露民は其敗飲の負擔と內治の亂脈に接し、更に劇甚なる變化を來し數年を出ずして歐露の天地は鼎沸の勢とならん、而して四境の諸國露人の凶暴に苦みつゝあるもの皆立つて其虛に乘せん、露國の憂ふ所實に玆にあり、故に露人の刻下戰を避くる所以のもの、猶ほ萬全の必勝を期し難きを知る一なり、敗後の狀態其自國の匪亂叙上の如きを知る一なり、皇國の竟に戰はさるに敗るゝの大數を知る卽ち一なり、皇國か今日の兵備を永久に持續するを得さるもの露人既に之れを知れり、地力の窮瘠、人口の剩多に對し民人移殖の謀なき露人亦た既に之れを知れり、皮相の文明、民人浮薄の趨向、奢侈の流行、露人亦た既に之れを知れり國家經濟の薄弱商工の不振民資の窮乏露人亦た既に之れを知れり、而して現時一國の大人物なくして宰相大臣の與みし易き、露人亦た復た深く之れを知れり、乃ち以上の諸要を知れは戰期を緩むるに於て、向後皇國の戰はさるに敗るゝの數を知れるなり、今年以降露國海軍の增大は、增ます新銳を加へ漸次其噸數倍蓓し來り、之れに準する陸軍の設備と、海岸陸上諸種の設備亦た隨て完成十九