二十二可からす、是の如きの時は唯君民上下忍んて其精を養ない他日を待つのみ、乃ち之を待つて其機を得る實に一國振發の期、其期を逸して一國の軍事を誤り、一國の經濟を誤り、其國を敗亡に向ばしむおもの、宇內大小諸邦、比々其迹相續けり、爾來露人の東方を侵畧し我れを悔謾せし幾度そ、利害を察すれは露國伐たざるべからす、理義を察すれは露國伐たさるべからす、然るに我が君民上下深く之を忍んで其精を彈し軍備を充實せり、今や既に伐つて以て罪を問ふに足れり諸公必らす之れを伐つの謀あらん然れとも露國の戰を避くるに專一なる、武裝的平和聲言の下締盟諸國の是認を得て諸公を欺がん、諸公蓋し亦之れに處するの謀あるべきなり、憶ふに露國の滿州を取り直に損傷を蒙るものは、英にあらす獨にあらず、米佛にあらず卽ち日本なり、故に日本は獨力を以て勝算をトすべくんは、直に討露の軍を出べし、現今の兵力ある日本たる者焉んぞ他の同盟を顧慮するを須いんや、英に依りて露を伐つは決して、策の得たるものにあらず、露に勝つて英の約を堅ふする實に萬安なり、玆に我れ露に勝たば英必ず更に其締盟を堅ふせん、獨佛其後を窺ふも亦た如何すべからさるなり、諸公盍そ其開戰に遲々たる乎今其れ小康非戰の輩ありて諸公の爲さんと欲する所を防阻せは、諸公盍んそ其名を擧けて吾徒に告けさる、吾徒直ちに起つて其舌を緘せしめん、彼れ猶ほ其舌を緘するを肯せすんは、吾徒は吾徒の所決あり、人酢を作るも敢て辭せす、諸公盍んそ其名を擧けて吾徒に告けざる、再たひ〓國を伐つて敵國を利し、三たひ外交に破れて〓韓に威信を墜し、手を束ぬて敵國の設備漸く完きに及ふを待つ、比して而して我猶ほ戰はさるの軍備を進めんか、國力遂に之れ二十三