三十頽俗の推移、戰を避けて囘復すべからさる所以の者何ぞや、吾其奢侈潘陋の俗、國家經濟の根本を毒するの事實を擧けて諸公に問はん、我地物の四千五百萬民生の衣食住に給するに足らさるは年々の歲計を按して明なり之れを上にして敗德の官吏彌よ多きを加へ、之れを中にして政黨の賣節漢彌よ多きを加へ、之を下にして姦詐遊食の者彌よ多きを加へ、法律〓育あるも社交の制裁なく、資力一局に兼併せらて細民の業を失ふもの人口の大數を占め、而して國法は救濟調齊の道なく、爲めに實業の不振を來たし、資力の澁滯を來たし、奢侈淫陋の風俗は征利壞德國を危ふするに至るも顧みる所をく曰く是れ歐州文明の俗を擬する也、曰く是れ北米文明の俗を擬する也、卽ち一國の習風故俗其民人の尙とふ處を移して定まる所なし、諸公今ま必しも此の頽俗の推移を尋常の統治を以で囘復し難きを知るものたらずんはあらす諸公又た亦た此の頽俗の先驅を自らするの嫌あらずんはあらず、吾徒が諸公を以て之れを挽回する其任にあらすとなす者は諸公の德木た必すしも之を挽回するに足らす、又た未た必すしも之れが挽囘を圖るを要せす、今ま一たび露人を伐つの師を出し國民の心を一にせは、戰後を策するに於て頽俗を囘すの策國家經濟を圖るの策別に其人あるあり、吾徒は大功を諸公の一身に贈つて萬世の榮を鼓吹し以て藩閥の終末を賀するを吝ます是れ露を伐つの内政に及ぼす第一結果となす更らに島國に偏安し墳墓を堅守して新進の氣象を阻むの事實を擧けて諸公に問はん。人世の情義は素より利害の數より打算して齊一を得べからす、其民其饑寒を厭ふの心は均しく是れ一なり而して其恩愛眷戀の情。饑寒も亦た辭せさるここと三十一