三十六けて、之れを非農業者の手に歸せしめたり、我國古來國郡司が田藉を領有せし時代の因習は、農民等素より其貢租の煩苛に苦しみしも、今日の眞農業者なる小作人が、其作收の六割以上を地主に收歛されて、國法は唯だ地主の保護のみに偏し、棄てて之を顧みさるが如き、悲慘なる治下に立ちし事はあらさる也、殊に都府市街宅地の益ます一局に兼〓されて、大部の商工多く賃借家屋に住し、其所得の三分の一を移して、借家賃に投ぜざるべからさるに至らしめしは、國法の遍律と云はさるべからず、諸公は第十七議會に於て增租繼續を提議し議院の賛同を得ず、竟に解散を決行し、第十八議會に際し苦心經營盲從妥恊の策を立て前議を徹囘せり、國法の地藉を保護する是の如くにして、其多數農工を虐する是の如く爾り、今ま之れが救濟を國法の規劃範圍に策せん事固より望むべからず故に激して發する者は社會主義を講し、人道主義を唱へ、世界主義を云い、曰く均產主義、曰く無政府主義と紛々擾々或は危激にして眼中君上を顧みさるものあり、或は險獰にして論頭柔和を飾るものあり、要するに一大革命の分子たり、諸說民人の肺腑に入り、機を得て震發するは素より多年の後にあれとも、國家の非政は必す之れを助けて、其苗種を播殖するの地を與ふものたらずんはあらす、諸公吾徒と豊葦原國土の中、箇の不詳の聲を聞くに忍ひず、諸公玆に討露の策を決し、大に勝つて一國の趨向を變し、內政の基礎を立て、國民をして新興の衝に立たしめ、善民の勞力を殺くの地主資產家なからしめよ、是れ露を伐つの內政に及ぼす第三結果也、露を伐つの內外に及ぼす所、叙上の如く爾り、今日露人を伐たずんは、他日露人必す我に冠せん今日の勝必ず我れにあり、他三十七