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と傳へる。延喜式には名神大社と見え、境域は丘陵形勝の地を占め、廣袤表一萬七千七十四坪。境内の末社として、氷上姉子神社の舊社で同一祭神を奉祀する元官の他に、天照大御神を奉祀する神明社、少彦名命を奉祀する玉根社の二末社がある。 [#ここで字下げ終わり]

攝社 上知我麻《かみちかま》神社[#「攝社 上知我麻神社」は小見出し] 市内熱田區市場町に御鎭座、乎止與命《をとよのみこと》を奉祀し延喜式内社である。境内に大國主命を奉齋する大國主社、事代主命を奉齋する事代主社の二末社がある。 攝社 青衾《あをふすま》神社[#「攝社 青衾神社」は小見出し] 市内熱田區田中町に御鎭座あり、饒速日命の妃、即ち高倉下命の御母なる天道日女命《あめのみちひめのみこと》を奉齋し、延喜式内社である。 攝社 松姤《まつご》社[#「攝社 松姤社」は小見出し] 市内熱田區市場町に御鎭座あり、御祭碑は宮簀媛命。 末社 南楠《みなみくす》社[#「末社 南楠社」は小見出し] 市内熱田區富江町にあり、御祭神は別宮に同じく、此地は往古神劔休御の地と傳へられる。 末社 鈴之御前《れいのみまへ》社[#「末社 鈴之御前社」は小見出し] 市内熱田區傳馬町に鎭座せられ、天鈿女《あまのうづめ》命を奉祀する。古老の傳に依れば東方より宮の宿即ち今の熱田に入るものは、必ずこの社で祓を受けたものであるといふ。 末社 浮島《うきしま》社[#「末社 浮島社」は小見出し] 市内熱田區傳馬町に鎭座せられ、御祭神は天穗日《あめのほひ》命 未社 影向間《ようごうのま》社[#「未社 影向間社」は小見出し] 市内熱田區白鳥町の舊|政所内《まんどころ》に鎭座せられ、熱田皇大神の御分靈を奉齋する。 末社 朝苧《あさを》社[#「末社 朝苧社」は小見出し] 知多郡大高町東姥神に在り、火上老婆靈を祀る。

[#7字下げ]三、陵墓[#「三、陵墓」は中見出し] 白鳥御陵[#「白鳥御陵」は小見出し] 熱田區白鳥町にあり、古來日本武尊の御陵と傳へ、陵域二千三百五十一坪、前方後圓の墳であつて、四圍に濠を設けてある。 陀武夫《だむぶ》御墓[#「陀武夫御墓」は小見出し] 姉山《ねやま》御墓とも稱して、宮簀媛命の御墓と傳へ、同じく前方後圓の壯大なる墳で、周圍に堀の痕跡がある。墳域四千九百十二坪餘。

<trjpft> 「熱田神宮略記」: 前頁 | 次頁 近代デジタルライブラリーの当該頁へ <astyle><gstyle>新旧字混在</gstyle><kstyle>旧仮名</kstyle><tstyle>青空</tstyle></astyle> </trjpft>