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序言

本書は明治三十九年六月東京に開かれたる島田蕃根翁延壽會の報告書として發行すべき豫定なり しも、寄贈金の?分未だ終わらざるに、翁は永眠せられたれば、更に、翁の傳記其他を一括して、 本書を編纂し、聊か翁の面目を世に傳ふる資に供せり

翁の逸話、閑話等、輯め來れば數百頁に上るべく、之を編する、別に其人あるべし、仍て本書は、 其著しきもののみを集めて、同行者に頒つこととしたるのみ、讀者其杜撰を責むるなくんば幸也 延壽會々務の報告は、可成其要を摘まんとしたるもの、前後の事情を縷述したる爲め、少しく冗長 に失せり、但、如何にして延壽會の開かれたるやを語りおきたれば、却つて翁の性行の側面を現 はす材料たるを信ず、

一、報告書編纂に着手してより既に十數閲月寄贈金の處分決定せざる爲、荏苒今日に及びたるは、種 々の存するに因る、伏して大方の宥恕を仰ぐ

明治四十年十一月

島田蕃根翁延壽會幹事 謹識

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