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弘教書院の「縮刷大藏經」全部四十帙四百十九冊は、我國に於て大藏經が活字本となつた最初 のもので、これが明治の佛教界乃至思想界に?した効果の偉大なことは申すまでもないが、ま た一方に於ては、これは明治の上半期に於ける空前の大出版であつて、出版文化の上にも、一 時期を劃したものといつてよい。この「縮刷大藏經」が出版された後に、藏經書院の手に依つて、「卍一切藏經」正續百五十一帙七百五十一冊が上梓され、更に大正年間に入つて高楠博士等 監修の下に、「大正新脩大藏經」が完成されるに至つたのであるが、何れにするも「縮刷大藏經」 は、此等の大藏經出版の先鞭を着けたもので、それだけこの難事を擔當した島田翁等の苦心 も、並大抵ではなかつたのである。

此より「縮刷大藏經」出版の経過に就て述べたいのであるが、その前に一通りその中心人物で あつた島田蕃根翁に就て、語つて置く必要がある。翁は舊周防徳山藩の出身で、その家柄は修 験道であつたが、父祖以来代々學者が輩出した。祖父の浄觀といふ人は別號を藍泉といつて、 物徂徠の高弟であつた

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