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丸『ヨシそんならば、若《も》し僕《ぼく》が此《この》球《たま》に爪《つめ》でキヅをつけられたら、君等《きみら》はモウ僕《ぼく》を新前《しんまへ》とも言《い》はず、又《また》掃除《さうぢ》の時《とき》にも僕《ぼく》は監督役《かんとくやく》になるが、それでよいか』

 一|同《どう》はいゝとも、いゝとも、指切《ゆびき》りをしやうと、拇指《おやゆび》と人《ひと》さし指《ゆび》とで輪《わ》を作《つく》り、金剛石丸《こんがうせきまる》と指切《ゆび》りをして其《それ》を誓《ちか》ひました。指切《ゆびき》りがすむと、丸《まる》は水晶《すゐしやう》の球《たま》をとつて小指《こゆび》の爪先《つまさき》で、へへののもへじと球《たま》に顔《かほ》の画《え》をかいて、皆《みな》に見《み》せました。

 此《この》見事《みごと》な結果《けつくわ》によつて、一|同《どう》の小坊主《こばうず》は約束《やくそく》の通《とほ》りに、金剛石丸《こんがうせきまる》の手下《てした》になつたでせうか。イエさうは行《ゆ》かぬ。此《こ》のために彼《かれ》はとんだ災難《さいなん》を引《ひ》き起《おこ》し、とうとう此《この》寺《てら》をも去《さ》らねばならなくなりました。其《その》お話《はなし》は次《つぎ》でわかります。

<trjpft> 「炭素太功記 : 理科読本」: 前頁 | 次頁 近代デジタルライブラリーの当該頁へ <astyle><gstyle>新字</gstyle><kstyle>旧仮名</kstyle><tstyle>青空</tstyle></astyle> </trjpft>