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データ活用例の紹介

国立国会図書館(NDL)では、「国立国会図書館デジタルコレクション」「国立国会図書館サーチ」「Web NDL Authorities」などの電子情報サービスの中で、デジタル化資料やメタデータをはじめとする各種データを提供しています。NDLは、これらのデータの多様な分野での利活用を促進するために、Linked Open Dataチャレンジやアーバンデータチャレンジへの参加、イベントの開催などの取組を行っています。このページでは、NDLが提供する各種データの活用例(アプリ・ウェブサービス等)や、データ利活用イベントへの協力事例、他機関が主催するイベントにおけるNDLの発表資料等を紹介します。

NDLが提供するデータを活用している事例がありましたら、ぜひお知らせください。
連絡先:電子情報部標準化推進係 standardization(at)ndl.go.jp
    ※(at)は半角記号の@に置き換えてください。

目次

あっちこっち れはっち!(野津拓也氏、井上聖也氏、池田真土里氏、湯川哲也氏、Nick Campbell氏作成)

    →→「レファレンス協同データベース」の活用例

あっちこっち れはっち!のロゴ画像と製作メンバーの写真
URL:https://line.me/R/ti/p/%40737wlgsd
(最終アクセス日:2020-3-16)
参考:「あっちこっち れはっち!」の概要説明

レファレンス協同データベース(レファ協)」に登録されたレファレンス事例データを活用し、ウィキペディア編集やウィキペディアタウンの活動を支援するアプリ作品です。ウィキペディアの記事を作成する際には、文献に基づく必要があるため、良質な参考文献を探すことが課題です。このような課題を解決し地域からの情報発信を促進するため、レファ協に登録された全国の図書館職員によるレファレンス事例を活用しています。

本作品では、記事作成の対象となる地域の場所情報に基づき、レファ協のマスコットキャラクターである「れはっち」が、ウィキペディアでまだ記事になっていない情報を見つけて、ユーザに知らせるとともに、関連する情報をレファ協から検索し、執筆を支援します。LINEとモバイル型ロボットの二通りのインターフェースがあり、会話をしているかのようにテキストメッセージまたは音声で情報を伝えてくれます。

江戸後期 武蔵・相模国 村名マップ(小池隆氏作成)

    →→「国立国会図書館デジタルコレクション」の活用例

「江戸後期 武蔵・相模国 村名マップ」の画面
URL:https://fudoki.midoriit.com/
 (最終アクセス日:2017-1-23) ※比定した現代の地名と国土地理院のデータをもとに作成

江戸時代後期に編纂された『新編武蔵風土記稿』『新編相模国風土記稿』は、自然や歴史、名所・旧跡等について網羅的に記載された地誌です。この地域の歴史を紐解く上で貴重な資料は、「国立国会図書館デジタルコレクション」でインターネット公開され、誰でも閲覧することができます。しかし、江戸時代の地誌は、現代の行政区域とは異なる村々に細分されているため、歴史的な知識があまりない一般の人にとっては、参照したい地域が記載されたページを探し出すのが難しい資料です。この『新編武蔵風土記稿』『新編相模国風土記稿』を現代の私たちにとって使いやすくするために作成されたのが、「[江戸後期 武蔵・相模国 村名マップ](https://fudoki.midoriit.com/)」です。

このウェブマップは、江戸時代の村のおおまかな位置を現代の地図上に配置し、そこから「国立国会図書館デジタルコレクション」中の同書の該当ページにリンクさせています。このマップを使えば、現代の地図から簡単に江戸時代の村名を知り、そこからすぐにデジタルコレクションを開いて江戸時代の地誌を読むことができます。なお、この活用例は、NDLデータを使ったシビックテックの事例として、2016年のNDLデジタルライブラリーカフェで紹介しました。

小倉百人一首LOD(高橋菜奈子氏作成)

    →→「Web NDL Authorities」及び「国立国会図書館デジタルコレクション」の活用例

「小倉百人一首LOD」のデータモデル図
URL:http://karutalod.web.fc2.com/ogura.html (最終アクセス日:2018-5-18)
参考:「小倉百人一首LOD」の概要説明

小倉百人一首の翻刻や古典籍画像、メタデータをLinked Open Data(LOD)化したデータセットです。LODとは、ウェブ上でデータを公開し共有するための方法で、LODとして公開されたデータは、他のデータと結び付けた(リンク付けた)形での活用が容易にできます。このLODでは、競技かるたの読札や取札のテキストや、「殿」「姫」「坊主」という坊主めくり用の絵札の区分など、かるた遊びや坊主めくりのゲームを作成するために必要な情報をデータ化して提供しています。また、歌人の情報や、歌枕として詠まれた地名の緯度・経度といった外部の情報資源へのリンクも含んでいます。さらに、複数の図書館等がオープンなライセンスで公開しているデジタル画像へのリンクも含んでいるので、各地の図書館等が持つ百人一首の古典籍画像をつなぐデータセットにもなっています。

このLODの中には、「Web NDL Authorities」の典拠データと「国立国会図書館デジタルコレクション」に収録されている小倉百人一首をデジタル化した画像へのリンクが含まれています。

京都が出てくる本のデータ(ししょまろはん作成)

    →→「Web NDL Authorities」の活用例

「京都が出てくる本のデータ」の画面
URL:http://linkdata.org/work/rdf1s1294i (最終アクセス日:2017-1-23)
参考:ししょまろはんのLOD(Linked Open Data)に関する取組み―Web NDL Authoritiesの利活用事例紹介

京都が出てくる文学作品やマンガ、ライトノベル等の情報のLinked Open Data(LOD)です。京都の岡崎にある図書館の自己学習グループ「ししょまろはん」が作成しています。

LODとは、ウェブ上でデータを公開し共有するための方法で、LODとして公開されたデータは、他のデータと結び付けた(リンク付けた)形での活用が容易にできます。NDLでは、「Web NDL Authorities」や「国立国会図書館サーチ」で、LODを提供しています。(NDLのLODの詳細は、使う・つなげる:国立国会図書館のLinked Open Data (LOD) とはをご覧ください。)

このLODには、作品のタイトルなどの書誌情報のほか、おすすめ度や心境(ワクワク、しんみりなど)、京都度(京都が出てくる割合)、140字程度の内容紹介文、作品に出てくる京都のスポットの名称、位置情報(緯度・経度)などとともに、「Web NDL Authorities」の著者名典拠のURIが含まれています。このデータを使ったアプリが、いくつも作成されています。

図書館施設データポータル(上田洋氏作成)

    →→「「図書館及び関連組織のための国際標準識別子(ISIL)」試行版LOD」の活用例

「図書館施設データポータル」の画面
URL:http://uedayou.net/ld/library/ (最終アクセス日:2017-5-25)

「図書館及び関連組織のための国際標準識別子(ISIL)」試行版LOD」(ISIL-LOD)に登録された図書館の情報を都道府県、図書館の種類ごとに整理して、検索・閲覧できるようにしたアプリです。トップページにある地図から都道府県を、次のページで図書館の種別(公共図書館、大学図書館など)を選択し、さらに図書館名を選ぶことで、図書館の情報を取得することができます。閲覧中のページのデータは、ページ下部にある「JSON」「XML」などのボタンから任意のファイル形式でダウンロードすることもできます。

なお、同じく上田洋氏作成のISIL-LODを用いた地図アプリとしては「全国図書館マップ」もあります。このアプリではISIL-LODに登録された図書館等の位置が地図上に表示され、各図書館等を選択することで、図書館等の住所などの情報を知ることができます。

ISIL-LODは、図書館をはじめ博物館、美術館、文書館などの類縁機関に付与されている国際的な識別子で、国立国会図書館が日本の国内登録機関として日本国内の機関に付与・管理を行っているISILのデータをもとに作成したデータセットです。なお、LODとは、ウェブ上でデータを公開し共有するための方法で、LODとして公開されたデータは、他のデータと結び付けた(リンク付けた)形での活用が容易にできます。

図書館と人口分布の見える化(細野良和氏、上田洋氏作成)

    →→「「図書館及び関連組織のための国際標準識別子(ISIL)」試行版LOD」の活用例

「図書館と人口分布の見える化」の画面
URL:https://phuket100.github.io/loaviz/ (最終アクセス日:2017-5-25)
参考:「図書館と人口分布の見える化」の詳細説明

「図書館及び関連組織のための国際標準識別子(ISIL)」試行版LOD」(ISIL-LOD)から図書館の位置情報を取得し、大阪府高槻市における行政区画の境界データや町別世帯人口の統計データと結び付けることで、人口分布と図書館の場所との関係性を地図上で分かりやすく示したアプリです。色の濃淡で町の世帯人口の多少を、水色のピンアイコンで図書館の位置を示しています。ISIL-LODに含まれているデータを検索・取得するために、「図書館及び関連組織のための国際標準識別子(ISIL)LOD SPARQLエンドポイント」(上田洋氏作成)を使っています。

ISIL-LODは、図書館をはじめ博物館、美術館、文書館などの類縁機関に付与されている国際的な識別子で、国立国会図書館が日本の国内登録機関として日本国内の機関に付与・管理を行っているISILのデータをもとに作成したデータセットです。なお、LODとは、ウェブ上でデータを公開し共有するための方法で、LODとして公開されたデータは、他のデータと結び付けた(リンク付けた)形での活用が容易にできます。

ひなたGIS(宮崎県作成)

    →→「国立国会図書館デジタルコレクション」の活用例

「ひなたGIS」の画面
URL:https://hgis.pref.miyazaki.lg.jp/hinata/index.html (最終アクセス日:2018-5-18)
参考:ひなたGIS(地理情報システム)の公開について

地域のさまざまなデータ(統計データや航空写真、古地図等)を簡単な操作で地図上に重ね合わせることができる、宮崎県が開発・提供しているシステムです。

「ひなたGIS」に既に搭載されているデータだけではなく、自分たちで作成した緯度・経度が付いたデータも地図上に重ねることができます。また、ITなどを活用した地域課題や社会課題の解決を目指す活動であるCivic Techに役立つよう、簡単、迅速に「ひなたGIS」で作成したデータを共有することができるような機能も実装されています。また、宮崎県に関するデータに限らず、他の自治体の情報やデータ、ウィキメディア・コモンズから取得した世界中の写真も搭載しており、日本各地のCivic Techの活動に利用できるシステムとなっています。このシステムで表示されるデータの1つとして、「国立国会図書館デジタルコレクション」に収録されている地図をデジタル化した画像が利用されています。

Linked Web NDL Authorities(松澤有三氏作成)

    →→「Web NDL Authorities」の活用例

「Linked Web NDL Authorities」の画面
URL:http://indigo-lab.github.io/ndlna/ (最終アクセス日:2017-1-23)

Web NDL Authorities」の典拠データと「DBpedia Japanese」のデータをマッシュアップしたLinked Open Data(LOD)の実験サイトです。LODとは、ウェブ上でデータを公開し共有するための方法で、LODとして公開されたデータは、他のデータと結び付けた(リンク付けた)形での活用が容易にできます。NDLでは、「Web NDL Authorities」や「国立国会図書館サーチ」で、LODを提供しています。(NDLのLODの詳細は、使う・つなげる:国立国会図書館のLinked Open Data (LOD) とはをご覧ください。)

「Linked Web NDL Authorities」では、Web NDL AuthoritiesのデータとDBpedia Japaneseのデータを結び付けることで、Web NDL Authoritiesの人名情報に加えて、DBpedia Japaneseに含まれる当該人物の説明文と当該人物と知人関係にある人物の名前が分かるようになっています。このサイトは、2015年に開催された「国立国会図書館のデータを使い尽くそうハッカソン」の中で開発されました。

国立国会図書館サーチの活用例

この他、「国立国会図書館サーチ」のAPIを使った事例が多数あります。

国立国会図書館サーチの活用例については、「国立国会図書館サーチリンク集」をご覧ください。

NDLラボの各種実験サービス

NDLラボでは、NDLが保有するデータを使った様々な研究を研究者の協力によって進めており、その成果をNDLラボのサイトで「実験サービス」として公開しています。

これまでに公開したサービスは、サービス(体験する)のページをご参照ください。

[参考]ウィキペディアタウンでの活用

    →→「国立国会図書館デジタルコレクション」の活用

現在、市民が地元の情報をオンライン百科事典ウィキペディアの記事として編集するイベント「ウィキペディアタウン」が、各地で開催されています。このウィキペディアタウンの中で、「国立国会図書館デジタルコレクション」を活用するケースが増えています。

参考記事:CA1847 - ライブラリアンによるWikipedia Townへの支援

国立国会図書館でも、2015年7月に、ウィキペディアタウンを想定して「国立国会図書館デジタルコレクション」から関連資料を探し出す「NDLデータ利活用ワークショップ~「国立国会図書館デジタルコレクション」のお宝資料248万点から地域の歴史・文化を掘り起こそう~」を開催しました。
NDLデータ利活用ワークショップ「国立国会図書館デジタルコレクション」のお宝資料248万点から地域の歴史・文化を掘り起こそう~」の様子
イベントページURL:http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20150808dataws.html
(最終アクセス日:2017-1-23)

データ利活用イベントへの協力

アーバンデータチャレンジ

国立国会図書館(NDL)は、地域課題解決のためのオープンデータの利活用を目的として、自治体の継続的なデータ公開や企業の参画を促進するコンテスト「アーバンデータチャレンジ」に2015年からデータ提供・支援拠点として参加し、講師派遣等の協力を行っています。